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土地の相続でもめないために、事前にできる対策は?

いわゆる、相続で「もめやすい」ケースとして、遺産に土地が含まれているパターンがあります。
土地は、相続財産のなかでも高額になりやすく、預貯金のように簡単には分割できません。
また、金銭で補償するとしても、その土地をどの基準で評価するかなど、なかなか決着のつきにくい問題が出てきやすいのです。
そこで今回は、遺産のなかに土地が含まれているときにできる相続対策について説明します。

まずは土地の評価額を確認する

土地を相続するためには、土地の評価額を調べる必要があります。
土地の価値は常に変動しているため、遺産を分けるに当たって、まずはどの『時点』での評価を基準とするのかが大きなポイントになります。

土地の評価時点となるのは、主に以下の2つの段階です。

(1)各相続人が具体的に相続する分を算定する段階(各相続人の特別受益や寄与分に従って、法定相続分を修正)
(2)各相続人が具体的に相続する分に従って、遺産を分割する段階

このうち(1)の段階では、相続開始時の評価額を基準とするのに対し、(2)の段階では、遺産分割時の評価額を基準とするのが、それぞれ実務での取扱いとなっています。

次に、土地の『評価方法』についてです。
まず、土地の公的な評価方法としては、主に以下の3点があります。

ア.固定資産税評価額

固定資産税の課税明細書や評価証明書で確認する方法。
基準として明確です。
ただし、公示地価の約7割を目安に設定されているといわれており、実際の取引価格よりも低い場合が多くあります。

イ.相続税評価額(路線価、倍率評価)

国税庁が公表している路線価で確認する方法。
基準として明確です。
ただし、公示地価の約8割を目安に設定されているといわれており、上と同じく、実際の取引価格よりも低い場合が多くあります。

ウ.公示地価

国土交通省が公表している公示地価で確認する方法。
時価に近いといわれています。
ただし、全ての土地の評価が出るわけではなく、実務上はあまり有用とはされていません。

相続人全員が納得できる評価額を目指す

土地の遺産分割協議では、上記のような公的な評価方法も参考にしながら、相続人間で評価方法について合意できるかどうかを調整します。
合意が得られなかった場合は、各相続人が不動産業者や不動産鑑定士に査定を依頼して、時価を評価することになります。
ただし、評価額に幅があり、ある一定の相続人に有利または不利に評価されていることもあるため、全相続人が出した査定額の中間値で合意することもあります。

それでも合意できなければ、裁判所に遺産分割調停を申し立て、調停で協議を続けていくことになります。
その場合、土地の評価については、裁判所が不動産鑑定士を選任し、その鑑定結果に準じて遺産分割協議を進めていくことになります。
鑑定費用は高額になることが多く、鑑定を求めた相続人が前もって納付する必要があるので、注意が必要です。

また、土地が誰かに賃借されている(土地賃借権)、あるいは無償で使用されている(使用貸借)場合、土地だけの評価額よりも差し引いて評価されます。
簡易な方法として、更地価格に借地権割合を乗じて算出されることが一般的です。
借地権割合は、国税庁が定めたもので、更地価格の約50~90%とされます。

もし、これで相続人間の合意が得られない場合は、さらに鑑定を行うこともあります。
また、賃貸人と賃借人が親族関係にある場合には個別に評価を行っていく必要があります。

土地をどのように評価し、どのくらいの金額で合意するかは、各相続人が具体的に相続する分を算定する際に大きくかかわることです。
共同相続人の1人が土地を取得し、ほかの相続人に『代償金』を支払うという形で解決する場合は、この土地をいくらで評価するかによって、支払うべき、あるいは支払ってもらうべき代償金の額が大きく変わるため、まさに土地の評価は遺産分割協議の要といえるでしょう。

相続財産のなかに土地が含まれている場合は、できるだけ早いうちに評価額を調べ、どうすれば公平かつ速やかな遺産分割ができるのかシミュレーションするなどして、事前に対策をとっておきましょう。

※本記事の記載内容は、2022年5月現在の法令・情報等に基づいています。

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